びてきかんしょう()

考古学のこと 映画のこと いろいろ

作品紹介

映画『この世界の片隅に』考察 私たちは代替不可能な居場所になれるのか

映画『この世界の片隅に』考察※ネタバレを含みます。 だから、玉音放送を聞いた後、すずは叫ぶ。 「最後の一人になるまでたたかうはずじゃなかったのですか」 兄弟を犠牲にし、大切な自分の日常が壊され、自分の居場所をことごとく奪っていった戦争。そんな…

ヨハネス・フェルメール 恋文

この前紹介したハン・ファン・メ―ヘレンの被害者についてです。 Johannes Vermeer Liebesbrief (1669-1671) 今回は、ヨハネス・フェルメールの『恋文』を紹介しようと思います。 シターンを引く夫人の後ろからそっと手紙を差し出す召使いと、夫人のはっとし…

ハン・ファン・メーヘレン エマオの食事

『エマオの食事』または『エマオのキリスト』という作品は、贋作として有名な作品です。 この作品は20世紀最高の贋作者ハン・ファン・メーヘレンによって描かれました。 彼は元々オランダの画家でしたが、時の美術界にその実力を認められず、その復讐として…

J.M.W ターナー アップナー城ケント

J.M.W ターナーについて書いていきたいと思います。 彼は18世紀末から19世紀にかけてのロマン派水彩画家です。展示会の多さからか、日本人の好みに合っているのかは分かりませんが、日本でもかなり有名ですよね。アクリルガッシュの名前にもなっています…

レオナルド・ダ・ヴィンチ 受胎告知

きっと何千人、何万人の方々がもうすでにこの絵についての同じような感想や、同じ知識をブログで書いていると思いますが、そんなことは気にしない、気にしない。 受胎告知、という作品自体は他にもたくさんありますが、ダヴィンチの描いたこの作品が一番有名…

馬高式火焔土器

研究室でのお話が面白かったので、もうひとつ縄文時代中期に作られた『馬高式火焔土器』を紹介します。 「縄文土器」ときいて一般的に思い起こされる、まさにThe 縄文土器がこの馬高式土器です。この土器は新潟県長岡市の馬高遺跡で発見され、形が燃え上がる…

出産土器について

たまたま研究室にいた考古学の先生から、縄文土器について少し習ったのでまとめます。 勝坂式、加曾利E式、藤内式……色々な種類の土器について話したのですが、私が特に気に入っているのは藤内式の出産土器です。藤内式土器の一種である出産土器は、ポット型…